2020年09月20日
葬儀のときに焼香をする意味とは
その始まりは、紀元前500年頃とされています。インドで腐敗や臭いを防ぐためにおこなわれていたことが、自然と仏教のなかに取り入れられるようになりました。6世紀半ば、仏教伝来と同時期に香と一緒に日本へと伝わったといわれています。
葬儀のときに焼香をする理由は、香は仏や故人にとっての食べ物だと考えられていて、故人があの世で食べ物に困らず幸せになれるように祈るためです。仏教において、極楽浄土と呼ばれる場所は、良い香りで満ちていると伝えられています。
仏は、良い香りを運びながら故人の魂を迎えにくるとされています。そのため、焼香は必要な作法です。また、故人のためだけではありません。する側の邪気を取り払うためだともされています。故人を参るためには、まず体と心の穢れを清めることが必要です。
体と心の穢れを清めることにより、参列者は故人を弔うことに集中することができ、精神を整えることができます。そして、焼香は仏の教えを物語ってもいると言われています。香は、時間がたつにつれて、次第に香りや煙が消えていき、徐々に灰になって消えていく姿は、人は皆、生まれた後に命を終えて、やがて消えていくのだということを教えています。